タイで仕事をする上で【英語力】は必要なのか?
タイで現地採用として働いている方や、タイで仕事をしてみたいと思い、タイの求人票を見たことがある方なら一度は思ったことがある疑問なのではないでしょうか。
私の結論としては、3つの企業の軸によって、求められる英語力は異なると思っています。
「いやいや、そんなのそうに決まってるじゃん!」という意見が多いかと思うのですが、具体的に「どのような企業が英語力が必要で、どのような企業では英語が必要ないのか」を理解していない人も多くいるように感じます。
上記に記載した3つの軸は、業務の中でどの程度、英語を使う状況があるのかないのか?という事がポイントになると考えています。
そもそも、どんな業務・状況で英語は求められるのか?
こちらは、「タイで働く上で、タイ語ができるから問題ない」と思っている方が直面する典型的な英語を使う状況かと思います。
目次
そもそも、なぜタイの求人なのに、英語が求められるのか。
こちらの求人票はJACのウェブサイトに掲載されていたものですが、タイで働く求人票にもかかわらず、英語のスキルレベルが掲載されています。2つのうち、1つはタイ語ではなく、英語スキルのみ求められています。
私が考える英語を求められる1つの理由としては、
「タイ語の習得に時間が掛かる」という事です。
本来であればタイで求められるタイ語スキルを兼ね備えた人材を確保するべきなのはわかっているものの、そういった人材が難しいから、妥協して英語スキルを求めてくるという事に繋がるのではないかと思っています。
そのため、管理や営業力がある仕事スキルがある人材確保を優先したい。というのは、求人を出している企業の本音なのではないかと考えています。
また、別の理由にあるのは、日本人駐在員の入替えです。
駐在員の海外駐在期間は3年~5年で設定している企業が多く、駐在員の中には、会社の命令だから、しょうがなくタイに来ているというモチベーションで仕事をしている人を多く見かけます。
いずれはタイを去ることが前提で来ているため、なかなかタイ語を覚えるモチベーションが上がらず、業務は英語と日本語だけ。という駐在員も少なくはないと思います。
英語力を必要とするなら「どのくらいのレベル?」「TOIEC点数は?」
私自身、タイで働きたいと思ってタイに来たわけではなく、海外で働きたいという強い思いから、日本支社→タイ支社という同じ会社で横スライドという形でタイに住み始めたのが最初のきっかけです。
現在ではタイが好きでタイに居続けるため、タイ国内で転職をしているという状況です。
企業セグメントごとに求められる英語力の目安
TOIEC 800点以上(ビジネス英語)
外資系
TOEIC 500~800点(日常会話+ビジネス英語の重要単語を理解)
タイ以外の海外拠点がある日系製造業、非製造業
タイ以外の海外拠点はない非製造業
TOEIC 400点(簡単な日常会話)
タイ以外の海外拠点はない製造業
外資系
TOIEC 800点以上(ビジネス英語) 高い英語スキルを求められます。
外資系企業(タイ系企業以外)の場合、なぜ英語力が求められるのかは、想像しやすいかと思います。
責任者や上司との日常会話、メールはタイ語ではなく、英語がベースになります。同僚のタイ人も英語スキルありきで入社してきているため、アメリカ、イギリス等の英語母国圏の海外大学卒業者も少なくありません。
私が以前、勤めていた会社はシンガポール系の会社でした。私のタイ支社の入社時のTOEICは約500点と800点にはほど遠い数字だったのですが、業務上のタイ人とのやり取りは、日常会話程度+αくらいで収まっていたのですが、他の米国サービスプロジェクトに携わるタイ人達と一緒に受けたリーダー研修では、彼らの英語レベルについていけず、聞かれている事が理解できず苦い思いをした記憶が今でも忘れられません。
そのため、外資系で勤務するのであれば、TOEICでいうと800点、もしくはそれ以上を保有しているほうが英語スキルが問題で業務が立ち行かなくなることは少ないのかなと思います。
タイ以外の海外拠点がある日系製造業、非製造業
タイ以外の海外拠点はない非製造業
タイ以外の海外拠点がある日系企業の場合、「タイ赴任の前は、中国、インドネシア、ベトナムに赴任していまた。」というお話を伺う事があります。
こういった海外に他拠点を持っている日系企業は、日本勤務時代に、どの国でも赴任ができるように、英語教育の環境が日本で整っています。また、上記で記載したように、タイの赴任期間が3年~5年という周期で任期が終わることを考えると、タイ人を交えて打合せ等は、英語を主体で進めるケースが多いです。
また、全体会議などでも、日本人責任者が英語で説明し、タイ人責任者が英語がわからないタイ人向けにタイ語で通訳すて、基本的には英語で会議を進めるというケースも多いです。この場合、求められる英語スキルは日本人責任者の英語スキルによりますが、最低でもTOEICでいうと500点以上の保有は望ましいと思います。
タイ以外の海外拠点はない非製造業の場合、製造工場がないので、バンコク付近にオフィスを構えている企業が圧倒的に多いです。そして、バンコクでは、製造工場が多くバンコク郊外と異なり、比較的英語を話せるタイ人が多くいることもあり、社内のタイ人がある程度英語を話せるという事から、社内公用語が英語になっている企業が多い印象があります。こちらも、外資系程の高い英語力を求められる業務は多くはないので、最低でもTOEIC 500点程度でもやっていける仕事はあると思います。
タイ以外の海外拠点はない製造業
海外拠点はタイのみ製造業の場合、多くの製造拠点(工場)は、バンコク郊外にあり、多くの労働者は地方出身であることから、英語スキルはかなり低い、もしくは全くないと思ってもよいと思います。このような企業の場合、代わりの駐在員を見つけることが難しく、駐在員の赴任期間が5年以上、多い方は今年で20年という企業もたまに見かけ、業務上の公用語はタイ語のみとなります。
私も当時は海外で幅広く、転職活動を続けていた頃、タイのシラチャ付近の製造業との面接で、「英語を使って仕事をしたいなら、タイの製造業で働くのは向いていない」とはっきり言われた事を今でも覚えています。
現在、仕事で多くの製造業を訪問していますが、英語を話せるタイ人は本当に少なく、日本人の駐在員の皆さんは頑張ってタイ語を覚えて業務をしているというお話をよく伺います。
とはいえ、タイ語を話せる人材を見つけるのも苦労しているようなので、タイ語を覚える気があるなら、まずは簡単な日常英会話が話せれば、採用に動いている企業も増えてきているようです。
最後に
上記、求められる英語力について触れてきましたが、外資系企業でもないのに求人票には、求められる条件として、「TOEIC〇〇点あると良い」みたいな文言を記載している求人票も多くあります。
私の場合もそうでしたが、面接は英語だけ、タイ語だけといった日系企業でも、いざ業務になると、英語はほとんど使わなかったりする企業も多くあると思います。
しかし、上記であげた英語力が求められる外資系企業では、給料などの待遇面も日系企業の平均給与よりも高く提示している企業が多くあるため、今後の更なるキャリアアップを検討している方は英語力のスキルアップを実施することで、選択の幅が増えることは間違いないと思います。
このブログがタイで仕事を探している方のお役に立てればなれれば嬉しいです。